初めての派遣登録 体験記

9月某日
収入がないのがしんどくなってきたので、ちょっとアルバイトでもしようかと思いネットで求人の検索を始めた。
調べていくうちに、登録しておけば空いた時間に働けると書いてある日雇い派遣がいいんじゃね?と思った。

関西空港にある倉庫で空いた時間に働こう〜、という求人広告を見つけたので、
その求人募集を出している派遣会社にメールを送った。
関西空港に近いところに引越ししてきたし、ちょっと関空で働いてみたかった。

履歴書不要だが面接があるので梅田のオフィスに来て、とメール返信があったので、
指定の日時に梅田の某所へ行った。事務所は小さい賃貸オフィスだった。

ジーパンで行くのもどうかと思ったので、前日にユニクロでチノパンとシャツを買って5千円ぐらいの出費。
面接には10人ぐらい同時に来ていたけど、みんな若くてジーパンやカーゴパンツ、ハーフパンツだった。
その中に紺のチノパンにシャツをインで着ている、アラフォーオッサンが一人・・・・

でも、面接なんてなくて、その場で履歴書みたいなの書いて契約書にサインして、免許証と給料を振り込む為の
通帳のコピーを取られ、コンパクトデジカメで写真を撮られて、派遣登録手続きは終了。

仕事は、登録すればログインできる派遣会社の携帯サイトで毎日決まった時間に更新されているので、
そこで条件に合うのを見つけてクリックすればいいらしい。ただし、早い者勝ちらしい。。。

個人情報は全てIDで管理されていて、要は今日はIDを貰うための登録会みたいなもんだ。もちろん、
携帯サイトへのログインはIDがなければ出来ないようになっている。

実際の仕事への流れは、見事に仕事を勝ち取った者には担当者から携帯電話に連絡が入り、
集合場所の最寄り駅や集合時間、必要な物など詳細を教えてもらう。
仕事の日の朝は、これから家を出るって時に派遣会社の携帯サイトにログインして、「出勤」をクリックする。
集合場所に着いたら、「到着」をクリック。みんなと合流できたら「合流」をクリック。
現場責任者に会って仕事が開始されたら「開始」クリック。仕事が終われば「終了」クリック。そして、
最後は作業時間などを記録した領収書的な書類に責任者のサインを貰って一日が終わり。
そして、日払いの人は、その書類をFAXで送って日当を貰う。ただし、日払いは手数料が掛かる。
週払いの人は週に一回纏めてFAX。月払いは月に1回纏めてFAX。
この領収書を紛失したり提出期限に遅れたら給料の支払いはないらしい。
仕事して給料が支払われないなんて現実にあんのか?と思ったけど、わざと煩雑にしている様な気もした。

説明を聞いてる途中で帰ろうと思ったけど、衝立の向こうから仕事を指示する電話の声が聞こえていた中に、
明日は関空へ行ってくれない?という声が聞こえていたので、我慢して座っていた。

全ての説明が終わり、サインした契約書を帰り際に提出すれば登録完了!って時にやっと聞いてみた。
「私、関空の倉庫で働こうって求人広告見て今日来たんですけど、関空の仕事はないんですか?」
担当者に聞いてきますと言い、戻ってきて言った、「昨日で募集終了したそうです。」

さっき関空行ける人、探してたやん・・・・でも、「そうですか、今日はありがとうございました。失礼します」
と言って、契約書を渡し事務所を後にした。頭の中には、ル〜ル〜ル〜ル〜ル〜〜、と
由紀さおりの夜明けのスキャットが流れていた。

以前、TVのノンフィクション番組で日雇い派遣で働き、ネットカフェで寝泊りする人達の番組を見て
ちょっとかっこいいな〜、とか思っていたけど、今回の経験で自分は本当に世間知らずだと分かった。

ワーキングプアって理解できなくて、そんなの自分が悪いんだろうと思っていたけど、日当6000円とかで
交通費も支給されず、現場で必要なものを自分で購入して働いていたら貧乏になるわ。
安全靴、ヘルメット、手袋、カッターなどは自己購入。安全帯が必要な時は貸与可能とか言ってたけど、
事務所まで取りに行かないとダメだから仕事とは別に交通費が掛かる。もちろん作業が終われば返しに行く。
それが嫌なら違う人に仕事を回すだけのこと。

日雇い派遣を法律で禁止しようという動きを聞いたとき、なんで禁止にするんだ?と思ったけど、
今はこんな労働システムは、とっとと禁止しろと考えが変わった。


さて、今回の登録に掛かった費用、ユニクロの服5千円、交通費1800円。まあ授業料としては妥当かな。
個人情報たっぷりの書類と預金通帳のコピーが心配ではあるが、大変勉強になりました。


追記
2日後、派遣会社から仕事紹介の電話があった。ピッキング作業で日当5800円。作業場所は神戸・・・
俺は南大阪だから、遠すぎるのでおかしいと思ったら、違う住所が登録されていた。
とりあえず、この会社は事務員を派遣で雇ったほうがよくない?